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2009年9月18日の記事

大塚英志+東浩紀『リアルのゆくえ』

大塚英志+東浩紀『リアルのゆくえ』(講談社現代新書・2008年)を読了しました。

いきなりこれを読んでも何がなんだか全く分からないと思うので、大塚英志『キャラクター小説の作り方』 、東浩紀『動物化するポストモダン』 『ゲーム的リアリズムの誕生』 辺りを読んでおくと、両者の立ち位置がよく分かると思います。

はっきり言えば、この本で繰り広げられる4回の対談は、7年に渡る千日手……噛み合わないまま始まり、終わっていきます。しかし、新たな局面を予想させる展開で終わるのです。

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2009年8月26日の記事

大塚英志こそダイエットした方がいい

先日のエントリーで紹介した佐々木敦『ニッポンの思想』にて、大塚英志のことが気になり始めて近所のブックオフに駆け込んだところ、『キャラクター小説の作り方』(講談社現代新書)しかなく、これを買い求めて読んでいます。9割方読みました。

タイトルだけ読むと、なんでそんな本を僕が買ってるのかかなり謎ですが、なかなかどうして単なるハウトゥーに終わっていないところ(というかそれは全体の1/3くらいです)が大塚の面白いところです。民俗学をバックグラウンドに持つ彼は、物語の在り方について徹底的にこだわり、戦中の国威高揚漫画と手塚マンガの関係性や、『木更津キャッツアイ』と『うる星やつらビューティフルドリーマー』の類似性と相違などを挙げながら、「この手のハウトゥー本」という体裁を保ったまま小説表現の本質に少しずつ迫っていきます。他方で、こうした本質に迫ろうとしつつ迫り切れていない自身の仕事を顧みながら、こうしたキャラクター小説を手掛ける出版社側(主に角川書店スニーカー編集部)への批判もするという、パフォーマンスとしても相当面白いです。

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