水月昭道『ホームレス博士』(光文社新書)
水月昭道『ホームレス博士〜派遣村・ブラック企業化する大学院』(光文社新書)を読みました。
前半は、大学院重点化政策によって大学院生は増えたものの、大学院生やオーバー・ドクターには就職先やポストが無いままなので、彼らが薄給の研究員生活を強いられたり、自分の専門と全く関係の無いアルバイト(コンビニやら清掃員やら)を強いられたり、あるいは非常勤職をなんとかかけもちしながらも年収200万程度のワーキングプア状態にあることを告発する内容。
後半はパチプロで糊口をしのぎながらオーバードクターを過ごしていた筆者(今もって常勤=テニュアでない)の体験談、という構成です。
著者の専門は環境心理学で、がん患者や障害者の生き方、学び方から「学ぶ・研究する」ことの本質を描こうとしています(が、ちょっと蛇足にも思えました)。ちなみに著者は得度を受けている仏教徒(僧籍あり)でもあります。
個人的には、もっと分野ごとの考察が深くあってもいいのではないかと思いました。
文系と理系、修士卒と博士卒などでマトリクスを描くと、より深く問題をあぶり出せるのではないかと。
で、翻って私のことを。