2012年4月27日

ミッドナイトジャズランド

その昔、FM静岡で「ミッドナイトジャズランド」という番組がありました。1980年代半ばの話です。水曜深夜1時〜3時のジャズ番組、という今なら全く考えられないような内容です。で、この構成と出演を私の父親がやっていました。

家の中のカセットテープを漁っていたら、いくつか出てきたので、ファイルにアーカイブしています(もちろん権利関係がクリアにならないので公開できません)。

 

そもそもこの番組は「One O'Clock Jazz」というタイトルで始まりました。当初は確か1時間番組。ジャズ喫茶を訪問すうるコーナーがあって、うちの店にも取材が来たんですね。

で、そこで、父のことなのでいろいろ意見したところ、構成をやってくれないかとのことで、番組が2時間になって、後半の第二部が「ミッドナイトジャズランド」となり、構成と出演をしていた、という経緯だったと思います。

アナウンサーは中村幹男さん(後にテレビユー福島へ転職)。「ミッドナイトジャズ探検隊」として、父、今はサウンドプロデューサーとしてご活躍の井出さん、磐田フレッシュメン・ジャズ・オーケストラのPAを担当されている(そしてうちで主催していたコンサートのPAも担当してくださっていた)光部さん、そして局アナ(当時)の秋岡さん、というメンバーで、基本は週替わりで出演していました。

私も何度か、当時遠鉄名店ビルにあったFM静岡本社での収録に連れて行ってもらいました。大体は退屈してしまっていたんですが。

まあ、父が構成をしているということは、どう考えたって普通の番組にはならないわけで、当時旬のジャズ、旬の音楽、あるいは遡るにしてもちょっと違った視点が出てきて、今聴いてもなかなか面白いんですよ、これが。

で、それで何が言いたいかというと、親は、自分の考えをできるだけ記録に残しておくべきじゃないかなということです。

例えば、当時はうちの父も40歳手前。どんな音楽の聴き方をしていたかということが番組を通してある程度分かるわけですね。僕が音楽にある程度理解が出てきたのは中学から高校で、そこから20年過ぎた今ではだいぶ音楽観も変わってきています。仮に父が他界した2000年に遡るとすれば、父は55歳、僕は25歳。当然父の音楽観も30代のころとは変わってきているわけです。面白いのは、30代の僕が、30代だった父の音楽観、あるいは見立てを、今かいま見られるということです(そしてそこから学ぶべきことはたくさんありそうです)。

これはたまたま公共の電波に乗ったものを録音していたので今知ることができるわけですが、かつては、普通は、日記を見るくらいしか親のことなど分かりませんでした。今はIT時代ですから、ブログに書き記すこともできるでしょう。こうして日々のフローのストック化が容易になっていることで、子は後に親を知れることも多いんじゃないかなと思ったりしました。

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