2009年9月26日

鈴木慶一@渋谷クラブクアトロ

invitation.jpg

ムーンライダーズの新譜『Tokyo7』が出たばかりですが、鈴木慶一さんのCaptain Hate & The Seasick Sailors名義でのライブが昨日クアトロでありました。ご招待いただいたので馳せ参じてみました。クアトロなんて超久しぶりです。改装してから初めてかも?

なお、この裏で、代官山ではあがた森魚さんがゲストの「更なるタンゴの可能性を模索しようバンド」なるものがあったそうですが、会田桃子(vln)、早川純(bn)、田中信正(p)、鳥越啓介(b)、桜井芳樹(g)......ってえー!田中さんがあがたさんと共演!?と大変驚きました。どういうことよ? 機会があればこれも見てみたいです。

一応、ご存じない方のために説明しておきますと、曽我部恵一さんをプロデューサーに迎えた鈴木慶一ソロ作が2作続き、それを受けてのライブツアー、ということになります。メンバーは鈴木慶一(vo、g、k)、曽我部恵一(g、turntable、vo)、上野洋子(k、acc、vo)、伊賀航(b)、Pスケ(ds、perc)という布陣です。

上の映像はバンド編成ではありません(ベースに至っては......まあいいや)。セットリストはこんな感じ。


ほとんどが慶一×恵一2作目『シーシック・セイラーズ登場!』からの選曲。アルバム2枚作ると、こうも世界観を固めることができるのか!と思いました。ライブの内容自体も、シーシック・セイラーズとシック・パイレーツという、時代設定の異なるバンドが、ラジオのチューニングを切り替えるかのように入れ替わるという構成。アルバム自体がそうだったのですが、ラジオ活劇的な感じです。

前作『ヘイト船長とラブ航海士』のライブでも感じていたのですが、とにかくPスケさんのドラムがパワフルかつハッピー。いいドラムです。それに対して伊賀さんのベースはステディ。リズム隊がしっかりしているので、上で何してもいい、という感じ。曽我部さんのプレイは、大して難しいことを弾いていないギターではあるのですが、バキーンとアンプから鳴らす音が超説得力ありまくりです。そしてシャウトとも言える勢いあるコーラスワーク。うーん、かっこいい。

途中、『SUZUKI白書 』から「JAPANESE一次好SONG」や「WORD,COLOURS,NOISES AND BOOMS」も演奏しました。♪だめよだめだめ〜

中盤、ルーパーを使ったノイズ・インプロが20分くらい続いたのですが、その尺が半分でよかった気がします。でも気になったのはそのくらいかな? 「Dohro Nite」のギター・ソロで慶一さんが『Tokyo 7』の「笑門来福」のメロディを弾いていたのにもニヤリ。

アンコールでは会場内を練り歩き、舞台に戻って超感動的な「スカンピン」、そして慶一さん弾き語りでの「悲しきタンバリン」で締め。

ライブを見ながら考えていたのは、こうした演劇的演出の音楽(決して演劇そのものではありませんが)は、慶一さんならではだなぁということ。例えば、細野さんも時々こういうフリをしてライブをしたがられるわけですが(昨年のビルボードなどはそういう感じ)、細野さんの場合は「ミュージシャン細野晴臣」が勝ってしまう感じがするんです。まあそれは細野さんのシャイな部分も含めてのことでしょうけれど。ところが慶一さんはこういうのがてらいなくやれて、バシッとはまる希有な方なんだなぁと思いました。先ごろ亡くなられたお父様が俳優であったことを考えると、それも頷ける話です(でも弟の博文さんはまたタイプが違うけど)。それは良しあしではなくて、スタイルの違いの話なんですけどね。

終演後は、関係者ボックスに居たムネカタさんに挨拶して、同業他社かつ近所の北村先生と一緒に帰ってきました(Fさんいらっしゃっていたのは見えたのですがご挨拶できず)。まあ、僕と北村君のトークはいつだっていい加減なのですが(TKがトランス作ってのりPがDJすればいいのに、とか。あ、それ言ったのオレか(笑))、北村君が「ポストモダンの唯一学ぶべきことは“悩まない”」と看破していたのは見事です。それもともすると鶴見済『人格改造マニュアル 』(太田出版)みたいになって僕的にはどうかと思うんですが(読んでないけど。そしてむしろこれはムネカタさんが詳しい)、深刻になってもならなくても、明日はやってくる……くらいの気持ちでいたいです。

そして帰宅したらCX『僕らの音楽』でオノ・ヨーコ+プラスティック・オノ・バンド。いやはや、すごい。しかもベースが細野さん。超ファンキー。オノ・ヨーコさんは単なる“ジョンの嫁”ではないのです。フルクサスですから。前衛ですから。でもこれOAしていいのかしら……というくらいの迫力。とても70歳過ぎとは思えません。

そんなわけで、今日はのんびり、明日は自宅で仕事と考えていたわけですが、昨夜ベッドに入ってから急に気持ち悪くなって、(そこから起きて)リバースしてしまうという僕としては珍しいこともあり、今日はあまり無理したくないと思っています。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.impactdisc.net/mt/mt-tb.cgi/194

コメントする