2009年12月24日

カーネーション@渋谷O-West

 

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渋谷O-Westでカーネーションのライブを見てきました。

会場でお会いしたムネカタさんが「カーネーションでWestだと狭すぎだよねー」とおっしゃっていましたが、年末の祝日でクリスマスイブイブですから、ほかに会場を確保するのが難しかったのではないかと推測されます。そのくらい1Fフロアは激混みだったので、2Fで座って見ていました。カーネーションのお二人(直枝政広vo+g、大田譲b)に加えて、中原由貴(ds)、渡辺シュンスケ(k)という布陣。3時間があっという間のライブでした。

 

 

メニューは新作『Velvet Velvet』からが中心ですが、コロムビア再発を受けて懐かしい曲もいくつか。「60Wは僕の頭の上で光ってる」「Planet Radio」「New Morning」と来るので『booby』大会かと思いましたわ、ええ。

 

先週の土曜日に、タワレコ渋谷のインストアにも行ったのですが(このときはトリオ)、そのときに比べていい意味で音が軽やかだなー、鍵盤入ると違うなー、と思っていたら、中盤にトリオ編成でとてつもなく気合の入ったメドレー(「ジェイソン」やらなにやら)を展開し、1万m走みたいなすごさで濃厚に突っ走ってしまいました。ありゃー。

 

見ていて思ったのは、ムーさん(中原さん)のドラムが今のカーネーションが目指そうとしている音楽性にマッチしてる、ということでした。逆に『Velvet Velvet』を中原さんと一緒に作った、ということもあるのかもしれませんが。

正直、矢部さんが抜けちゃったカーネーションがどうなるのかものすごく不安だったんです。コロムビア・イヤーズの再発を聴いていて思ったのは、カーネーションのグルーブ感の鍵はハーフ・シャッフルのタイム感で、それを矢部+大田のリズム隊がゴリゴリと出していたわけです。ところがムーさんは矢部さんと肉薄する素晴らしい揺れをたたき出している。うーん、すげー。

で、矢部さんとどこが違うかというと、出音、もっと言えば演奏のダイナミクスの取り方、なんですよ。ベロシティ的な表現で言えば、常用の範囲が違うというか。矢部さんが120〜40くらいとするならば、ムーさんは100〜20。もちろん筋力的な差があるのかもしれないですが、手首の柔らかさとか、そのあたりも関係しているのかもしれません。結果出てくる音は、対矢部比較で、コンプで言えばアタック&リリースが遅めな感じ(単純にコンプの設定が違っていただけかもしれないですけど)。打点が早くて、シャープ、っていうんですかね。

……と、非常に分かりにくい書き方をしてしまったのですが、矢部さんが武蔵、ムーさんが小次郎、って言えばいいのかな……。

最初は、人数が少なくなったせいかな、とも思っていたんですね。つまり、矢部さんのドラムは基本的には5人以上のカーネーションに最適化した出音で、ムーさんは今のトリオ編成向けなのかな?と。いやしかし、「EDO RIVER」とかの過去曲は、こう言ったらムーさんに悪いけど、人数の問題じゃなくて“ハマリ方”は矢部さんと違う……と思ったんです。だから人数の問題でもないし、どっちが音が太いとかそういう話ではない。

……ということで、6割は中原さんのドラムを見ていた気がしますが、直枝さんのボーカルの魅力や渡辺シュンスケさんのキレっぷり、ゆるずベースのすごさも堪能いたしました(シュンスケさんは、デビュー前のSuperflyのライブで見て以来ですが、そのときもハンバないなーと思ったっけ)。

 

もう一つ思ったのは、これは青山陽一さんもtwitterで書いていたけれど、カーネーションはコール&レスポンスできる曲が多い(特に昔の曲)。これ重要ですね。(かつてのカーネーションに対する自分の態度がそうだったように)オーディエンスは参加することを求めているのです。直枝さんが“Say!”って言ったら“No!”って言うわけですよ。今でも言ってますけど。

思えばO-Westは、2002年に“5人でのカーネーション”が最後に演奏した場所でした。あのときは泣くかと思ったけど虚脱感が先に立ちました。でも、今ではこうしてバンドが存続していることがうれしいです。気がついたらThe SUZUKIと同じ編成になっていましたが、それでもバンドはバンドです。

 

……というわけで、3時間のステージのあとは、いつもの梅蘭でご飯を食べて帰宅。メニューもだいたいいつも通り。

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