2012年6月 1日

カーネーション『天国と地獄』@渋谷WWW

カーネーションのライブを見に渋谷WWWへ行きました。

今回は『HMV GET BACK SESSION』という、かつての名盤を1曲目から最後まで通して演奏するという趣向のライブ・シリーズ。カーネーションにおけるその名盤とは20年前にリリースされた4thアルバム『天国と地獄』です。

僕は、カーネーションは『Girl Friend Army』からの後追いなので、当然リアルタイムでは聴いていないのですが、元メンバー鳥羽修(g)をはじめ、大野由美子(moog)、ロベルト小山(sax)、美尾洋乃(vln)と、当時のステージ・メンバーも参加。ほか渡辺シュンスケ(k)、張替智広(ds)という布陣です。

相方とともに開演5分前に滑り込み、適当な位置に入り込んだ瞬間、目の前に金髪の後頭部が…言うまでもなく津田大介さんで、僕の視界は常に半分が金髪に占領されることになりました(笑)。とはいえ、完全に見切れるところは無かったのでそれはOK。

それよりも気になったのは、すぐ後ろでずーっとユニゾンで大声で歌っている男が居たことです。しかも右後ろと左後ろの二人。まあ気持ちは分かりますが、あなたの歌を聴きに来たんじゃないんです。勘弁してください。

というわけで「オートバイ」から順に始まった演奏。え?ロベルトさんテナー!? 修さんセミアコ!? しかもアンプがジャズコ!?で戸惑いました。特に修さんは、Fenderのアンプでドカーンと出すものを期待していたので、ちょっとそこが惜しい。

で、『天国と地獄』は、20年前のカーネーションのヒリヒリした感じがかっこいい名盤ではあるのですが、今回の演奏はまたちょっと趣が違っていました。百戦錬磨の余裕があるというか、曲自体の解釈は全く変わってないんだけど、パフォーマーとしての表現の幅が加わったような感じがしました。

しかし、決定的に違うのはやはりドラムです。張替さんもいいドラムだけど、あの矢部浩志のドラムの重量感。ちょっとシャッフル気味のビート感。そことはやっぱり違うんですよね。良しあしの問題ではなくてね。

そして『天国と地獄』が終わったら「EDO RIVER」「SUPERMAN」「NEW MORNING」と、コロムビア期の名曲連発。特に「EDO RIVER」は、大野さんのコーラス入り&MOOG入りは初めてで感涙ものでした。あと「NEW MORNING」以降は、後ろのボーカルが黙ってしまいました。知らなかったんでしょうか?(笑)。

とはいえ、個人的に一番感銘を受けたのは、終盤に演奏した「ANGEL」でした。なぜか、トリオで演奏したこの曲が今のカーネーションにフィットしているというか、今の直枝さんのヒリヒリ感みたいなものがグッと迫ってきて、とても良かったです。

カーネーションが3人になったときは、もうお葬式のような気持ちで、ああ、もうオレの好きなバンドは無くなっちゃんだと本気で思ったものですが、やっぱりカーネーションはちゃんと進化していて、新しい形を次々と示してくれているんだなと実感できました。『天国と地獄』も「EDO RIVER」も「NEW MORNING」も、「ANGEL」も、すべてを通して、カーネーションってやっぱすげえなとあらためて思えたいいライブだったと思います。

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