2009年10月30日

脱出!

あー、マジ忙しかったです、今週。今日だけで巻頭9+企画5+タイアップ2+インタビュー2で18ページ入稿。新記録かも。とは言っても確認待ちなどで止まっていただけですが。ちなみに締め切りは3日前でした。ダメじゃん。でも昔は毎日24時まで働いてこんな調子だったので、22時退勤命令が出ている今にしては上出来です。校了は月曜の予定でしたが、たぶん水曜に持ち越しですね。

今月、最も大変だったのは、上述の中の「インタビュー2ページ」でした。

これは15日に取材する予定だったものが、相方のお母さんが急逝したために、当初取材に立ち会ってくれる予定だった先輩に取材を任せて……というもの。まとめは責任持ってやりました。

まあ、これもいろいろな事情があって、4千字くらいで収めるべきところ、文字起こしした段階で1万字ありました。そこは想定の範囲内だったのですが、自分で取材していないために、「話の濃淡」が分からないんです。少なくともインタビュー・テープを聴いて自分で起こしていれば推測しやすくはなるのですが、東京に戻ってきたらもうテキストファイルになっていて(親切にも先輩がやってくださった)、それを“録音ファイルください”とは僕の口からは言えませんて。

で、僕はものすごく悩んだんです。インタビュイーの方の、それまでの紆余曲折は別の取材で数カ月前にお会いしたときに知っていたこともあって、うかつに削れなかった。気分は外科医のようなものかもしれません。どこまで切ったら、機能を損なわないで保てるか……。

本当に悩んでしまって、ああ、もう、オレ、これ一生記事にできないかも……と思いつつ、デザイナーに先にお願いしていたレイアウトは上がってくるし、ほかの記事の締め切りもあるしで、いよいよどうしようも無くなってきた数日前、隣の席の先輩(取材を変わってくれた方)に、ポロっと漏らしたんですね。「もう、どこ削っていいか分かりません……」って。そうしたら先輩いわく「取材してないんだから、だからこそ削れるんじゃないの? 取材しちゃったらもう、逆に無理だよ」と。

ああ、そうか。その一言で僕は本当に楽になり、ガッツリと大ナタをふるって記事をコンパクトにまとめました。

そこまでは自己満足の世界としては悪くないのですが、もう、そこから先は気が気じゃなかった。下手したら「こんなんじゃ全然だめだよ。取材にも来てないのに、記事なんか作れるかよ」と言われても仕方ないのです。でも、インタビュイーの方は、原稿チェックに出した記事を見て“言いたかったことが凝縮されている”とほめてくださった。もちろん普段の付き合いのことなどもあってのことだとは思いますが……。ああ……もう、こういう充足感を味わってしまうと、編集の仕事は辞められなくなります(それが大きなワナだとも言えます/笑)。

編集の仕事を始めてもうすぐ9年ですが、さすがに要領は多少良くなっていますけれど、毎回こんな感じです。ある先輩は「取材対象やカメラマン、デザイナーなどと共犯関係を築け」と言っていました。僕は異性との交際みたいだな、とも思いますね。ひたすらネゴシエートして、どう説得・納得して事を進めていくか。ロジカルと情と情熱と、いろいろなものが入り交じるからこそ、面白いと思います。

さて、11月は、……史上最大に大変っぽいです。やれやれ。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.impactdisc.net/mt/mt-tb.cgi/224

コメントする