大友良英『アンサンブルズ2010−共振』
大友さんは、ギタリスト/ターンテーブル奏者。もともとはフリージャズの世界からスタートし、独自の展開をしておられます。高柳昌行さんに師事していた当時、うちの両親は「大友君は真面目だ」とずっと言っていましたが、今でもとにかく真剣に音楽と向い合っておられる。その姿には感服します。
『アンサンブルズ』は、ターンテーブルやギター、ピアノ、ドラムなどなど、さまざまな楽器を用いたインスタレーションで、さまざまな仕組みでランダムor規則的に展示の楽器が鳴ります。本当にひそかな音で、あっちのドラムがガサゴソと音を立てたかと思うと、こっちでピアノが密やかにうなり始めたり、ターンテーブルがカタコトと回り始めたり、ラジオがノイズを発したり。
大友さんの著書で読んだノイズ・ミュージック講義では、ノイズは相対的なものであると書かれていました。ベートーベンとノイズとを同時に鳴らしたときに、ノイズを聴こうとするとベートーベンがノイズとなると。そんな音の出る展示をあちこち歩き回りながら、さまざまなオブジェクトが奏でる音が文字通り共振し合っているいるかのようでした。音と音が音楽になる瞬間をつかめそうな感じ。
16日までの開催なのですが、足を運べる方にはぜひ行って体験していただけたいと思います。
追体験はこちらのレポートで↓
コメント[2]
さがゆきって人と大友さんが手がけた中村八大のカヴァー集「see you in a dream」、愛聴盤なんだよねー、ここ数年。
そのアルバムの中でも、まさに、いろんな音が仕掛けとして演奏に覆いかぶさって来て(演奏との主従が逆転してるものも当たり前なようにしてあった)、独特な愉しさがあってね。
Posted by yopy at 2011年2月18日 15:58 | 返信
>師匠
大友さんのすべてを追っかけるのはさすがに不可能なのですがw、これほど音楽とか表現のことを真剣に考えてやっている人は稀だと思います。人柄も最高に素敵です。
Posted by iori at 2011年2月19日 10:33 | 返信
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