2014年7月30日

ツール・ド・フランス2014(第101回大会)

3週間(休息日をのぞき21日間)におよぶツール・ド・フランス101回大会が終わりました。ツイッターでだいぶ盛り上がってしまい、お目汚し失礼いたしました。

 

 

開催前は、クリス・フルーム(sky)の連覇か、あるいは優勝歴のあるアルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ)か、第3の男ヴィンチェント・ニーバリ(アスタナ)かと言われていましたが、序盤のステージでフルームもコンタドールも落車でリタイア。ニーバリが第2ステージでマイヨ・ジョーヌを着た後は、トニー・ギャロパン(ロット・ベリソル)に1ステージだけ譲ったものの、ステージでの勝利も重ねて、ずっとニーバリがキープという強さが圧倒的でした。これはアスタナのアシスト陣が連日頑張りながら、終盤脱落してからのニーバリの底力がすごかった。まさに「強い王者」を見せつける動きでした。

ニーバリの勝利が決定的になって以降、面白かったのは2位争い、およびマイヨ・ブラン争い。2位争いからは最後の最後でヴァルヴェルデ(モヴィスター)が脱落。マイヨ・ブランをバルデ(AG2R)と争うピノ(FDJ)と、そのバルデ擁するAG2Rのベテラン(といいながらMTB出身でロードは5年目)というペロー、フランス人2人が第20ステージの個人TTまで争い続け、昨年TTで落車骨折リタイアしたペローが2位に(この人、最終ステージであわやという落車をしてヒヤリとさせましたが)。

ポイント賞は3年連続のサガン(キャノンデール)。危なげなさすぎたけれど、ステージ優勝は無し、という...サガンはまだ若いので、これから総合上位も狙ってくるんでしょう。

山岳賞はエースを欠いたティンコフ・サクソのマイカ。エース不在でかえって自由に動けたのが奏功しました。一方、skyはプランBに移行できず沈没……。明暗がはっきり分かれました。

その他、気になるところでは今大会唯一の日本人選手、新城幸也(ヨーロップカー)。エースのピエール・ローランが不発だったのが残念ですが、それでも懸命なアシストぶりが素晴らしかった。もう5回目の出場で、ベテランの域に近づいてきていると思いました。また、ジャイアント・シマノのジ・チェンは、初の中国人出場&完走者。成績こそ最下位ではありましたが、平坦ステージ序盤のけん引で、マルセル・キッテルが重ねた多数のスプリント勝利に貢献したことは言うまでもありません。

そのスプリント、キッテルが4勝(だっけ?)と勝ちまくった印象がありましたが、クリストフ(カチューシャ)が2勝、グライペル(ロット・ベリソル)が1勝、ナヴァルダスカス(ガーミン・シャープ)1勝、だったと記憶しています。キッテル無双ですね。第1ステージと最終シャンゼリゼを2年連続で制したキッテルの強さの背後には、ジャイアント・シマノの位置取りのうまさが光っていたなと思います。第1ステージで落者して脱落したカヴェンディッシュ(オメガファルマ・クイックステップ)がいたら、また展開が違ったかもしれませんが。

 

さて、ツール初観戦なのにこんなに盛り上がってしまったのですが、僕が見ていて好きだった選手はトニー・マルティン(オメガファルマ・クイックステップ)とマイケル・ロジャース(ティンコフ・サクソ)です。2人とも独走力があり、残り20kmくらいで単独アタックを仕掛けて勝つ、という、見ている方もハラハラする展開で魅了してくれました。同時に、通常のステージでは献身的なアシストぶりも見せてくれる……。生き方的にもそういうの好きです。独走力があるのは、2人とも個人TT世界チャンプ歴があることでも証明済み。今大会第20ステージで、2位に1分40秒以上の差をつけたトニマルさんの安定度といったら。同様に世界TTチャンプ歴を持つ選手としてはカンチェラーラ(トレック)もいたわけですが、序盤のステージで見せ場はあったものの、今後の調整も兼ねて早々姿を消したのが残念でした。

 

すっかり寝るのが遅くなり、朝練が全くできない3週間でしたが、終わってしまうとさみしいですね。8月末からはブエルタ・ア・エスパーニャが待っていますから、これも楽しみにしています。

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