中学のころにロード・オリンピアンに出会ったこと
僕がロードレースを見始めたのは2年前からだけれど、今年のリオ・オリンピックを見ていて思い出したことがあった。
中学校のころ、卒業生がオリンピックに出るので、壮行会が行われた。僕ら生徒一同は体育館(講堂)に集められたが、舞台に上がったその女性の先輩の方が緊張した面持ちだったように思う。
「私のためにわざわざこのような壮行会を開いていただいて恐縮だ」とも言った。
マスコミの報道で彼女の名前を見たことはなかったし、彼女の参加競技は「自転車」と聞いた。「橋本聖子と同じだな」と思った覚えがある。そして事後、新聞のベタ記事で彼女が上位ではない位置で、しかし首位とほとんど差がなくゴールした、というのを読み、世界一クラスになると接戦なんだな、と記事を読んで感じた。
2016年、リオ・オリンピックの自転車競技を見ていて、このことを思い出し、ハッとした。そして調べてみた。
彼女は橋本聖子と同じなんかじゃない。橋本聖子はスプリント、すなわちトラックの選手だ。ところが、彼女はロードレースの選手だった。「同タイムで30位ゴール」というのも、ロードレースを知っている今なら意味が分かる(ロードでは前着者と1秒差がつかない場合は同タイム扱いとなる)。
しかし、彼女についての情報が、ネットにほとんどない。見ると、オリンピック後に宗教活動に転じたという風説もある。なので、(ちょっと調べれば分かってしまうことだれど)あえてここではお名前を書くことはしなかった。もちろん時代のこともあるし、競技から離れたことと宗教活動のことも関係しているのかもしれないし、そこはなんとも言えないが、ほとんど情報がないことが残念でならない。
それでも僕は中学生のときに、ロードのオリンピアンを目の前にしていた。しかも自分の学校の先輩だ。コース・レイアウトにもよるだろうけど、首位と同タイムでゴールできている強豪選手だった。そのことに今ごろ気がついて、驚いている。
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