2014年12月 7日

クロスバイクをオフロード用「っぽく」使う

【あまりがちなクロスバイク】

スポーツ自転車が欲しくて、とりあえず手ごろなクロスバイクを買ったものの、すぐにロードバイクが欲しくなって買ってしまい、クロスにはあまり乗らなくなる、というパターンはよくあります。僕がそうです……ということはありません。どちらもそれなりに乗ってはいました。

クロスバイクはそもそもMTBを舗装路用にしたものと言えます。大きな違いはタイヤ。クロスバイクは接地抵抗を減らすために細めで、凹凸のほとんどないスリックタイヤを使います。通常は25〜32Cくらいの太さです。

他方で、ロードバイクを未舗装路(砂利道や砂地、泥地程度)を走るようにしたものをシクロクロスといいます。厳密に言えばいろいろ違いはありますが、一番大きな違いはタイヤです。ロードバイクは20〜25C程度のスリックタイヤなのに対し、シクロクロスでは32C以下(国際規定)のタイヤで、MTBタイヤほどのものではないですが、トレッド・パターンのあるタイヤを履きます。最近はその中間とも言える「グラベル・ロード」なんてのも流行ってますが。

 

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つまるところ、クロスバイクはどうやっても舗装路ではロードバイクにかなわないし、ロードとクロスと両方あって用途がかち合うんだったらMTBっぽく(あくまで「っぽく」)使ってしまえば?というのが僕の提案です。

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ホダカの店長に怒られそうだな、これ……

【タイヤを変える前に……】

実際に何をやったかと言えば、タイヤの履き替えの前にクロスをドロップハンドル化したのでした(笑)。

ロードに慣れてしまうと、幅400mm程度のドロップハンドルに対して、クロスの幅600mmのフラットバー・ハンドルの取り回しがつらくなってきたので、たまたまSTIレバー(ST-3500)の新古品を発見し、ハンドルごと交換しました(もともとのコンポがSORA3500系だったので楽勝)。ただし、ブレーキに注意。シマノの公式見解ではSTIレバーとVブレーキの互換性は保証されていませんが、ミニVブレーキなら引けます。でも、ブレーキ・クリアランス調整の機構が無いので、こんなものを調達しました。

しばらくこれで乗っていたのですが、まあロードあるし、的な感じにもなりまして、たまたまオフロードにも興味が出てきたので、タイヤを交換。ただしホイールの幅と剛性に不安が残ったので、ロードの完成車から外したARAYAリムのホイールをつけました。いわゆる鉄下駄です。くっそ重いです。そもそもこれが重いからホイール買ったのに。もとのクロスは13mm幅、ARAYAは15mm幅。13mm幅だと、シュワルベの見解では25Cまでなんですが……クロスに28Cついてたんだけど……。ま、そのくらい大雑把でも実用上は問題ないですね。ホイールを変えたので、ブレーキのクリアランス調整のためにインナーワイヤーは微調整しました。

とは言え、オフロードのコントロールのことを考えたら、別にフラットバーのままで良かったんじゃないの……という気もしますが、まあそれは別の話。街乗りだとSTIの方が個人的には楽なんですよ。

なので、下図のようなことになりました。

 

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【シクロクロスタイヤ実装】

買ったタイヤはパナレーサーのCG-CX(32C)です。大抵のクロスバイクであれば32Cのクリアランスは取れると思います。チューブは同じパナレーサーのR-Air。バルブ長48mmにしておけば良かったのに32mm買っちゃた……。空気圧は、通常ロードタイヤが7気圧なのに対して2〜5気圧。さすがに2気圧とかは本気でオフロードに入るときなので、4気圧で試しています。これで実装してみると、グリップがすごく効いていていいです。踏みながらカーブに入ってバイクを傾けてもがっちりと路面をつかんでくれます。

「嗚呼、せっかくの軽量クロスだというのになんてザマだ!」と家人は嘆きます。まあ確かに重いけど……でも、よほど高速で飛ばさなければ全く問題ないし、ちょっとした段差も全く怖くないです。砂利道もなんのその……ってこれはトラクションのかけ方が難しいので、そんな簡単ではないんですが。もともとのスプロケットが11-30Tという、かなりレシオの広いものなので、フロントがインナー36T-リアがローエンド30Tとかだったら堤防だって登れます。

 

【実は街乗りにいいんじゃないか?】

前述したように重くなってしまったので、せいぜい片道10km/往復20kmくらいに使う感じかな?と思っていますが、それでも街乗りというか、近所の買い物程度や1時間くらいのエクササイズにはもってこいだと思います。

良いところは、まず段差に強いこと。舗装路面といえども凸凹はかなりあります。ロードでおっかなびっくり通っているところでも、シクロクロスタイヤなら割とすんなり行けます。太いのでアスファルトの亀裂などにもはまりにくいし。

そして、空気圧が低いので、グリップ力が強いこと。当然接地抵抗の高さとトレードオフにはなりますが、スリップもしにくくなります。あと拾った小石が飛びにくくなります。

例えば夜間だとどこに溝や小石があるのか見極めにくいので避けずに踏んでしまうこともありそうですが、小石を踏んでも衝撃も小さく、勢い良く飛んで行く危険も少ないですし、溝にハマるリスクも減ります。

僕の選んだCG-CXだと、センターにもドレッドがあるのですが、もっと平地メインの方はセンターがスリックでサイドにドレッドがあるようなものでもいいのかも。

上で「重い、重い」と書きましたが、これはホイールが重いせいで、タイヤだけだったらそんな大した重さじゃないでしょう。CG-CXの重さは300gですが、もともとついていたタイヤのMaxxis Detonator 700×28C(ワイヤービード)が350g……軽くなってるじゃん! もちろん空気圧が下がった分、接地抵抗は大きくなっていますが。

 

【注意!フレームはオフロード用ではない】

最後に一つ気をつけたいのは、フレームはそもそもオフロード用ではないこと。ですからあまりガツガツと荒れ地を攻めると、フレーム破断やフォーク折れのリスクが高まると思います。たとえタイヤがある程度衝撃を吸収したとしても、です。そこはMTBではないし、シクロクロス車ではないので、間違えないように気をつけたいですね。

また、うちの場合は元のホイールがそのまま残っているので、ホイール(とスプロケット)さえ変えれば元通りの状態で乗れます。シマノの場合は9速フリーハブの方が10速スプロケットより長いので、9速フリーハブには10速スペーサー(1mm)を装着して使います。これがちょっと面倒ではあるのですが……(交換にはスプロケット・リムーバーが必要)。

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