2015年2月 7日

パルコ・プロデュース 歌謡ファンク喜劇「いやおうなしに」

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脚本:福原充則 演出:河原雅彦

音楽:Only Love Hurts(面影ラッキーホール)

出演:古田新太、小泉今日子、高畑充希、三宅弘城、高田聖子、山中 崇、政岡泰志、駒木根隆介、三浦俊輔、高山のえみ、田口トモロヲ

http://www.parco-play.com/web/play/iyaou/

面影ラッキーホール(現:Only Love Hurts)というバンドを知ったのは、カーネーションがリキッドルームで主催した『Eternal September 2011』というイベントでした。絶妙な歌謡ファンクに乗せて、老人男性と恋に落ちた「今夜、巣鴨で」、題名通りの「俺のせいで甲子園に行けなかったあの夏」、「好きな男の名前 腕にコンパスの針でかいた」、「あんなに反対してたお義父さんにビールをつがれて」などのトラウマ・ソングを連発し、一発で好きになってしまいました。ちなみに一緒にライブに行った友達は全く受け付けないと言っていたのも分かる気がします(笑)。
そんな面影ラッキーホールの曲の数々を使用したミュージカル、『いやおうなしに』を見に行きました。

どうやって使われるのかな?……と疑問に思ってはいたのですが、劇中の登場人物が歌うことで、その人物の背景=楽曲の登場人物ということになりまして、よくもまあこんなクズだらけの世界を描き出したものだと感心するほど。Twitter検索したら「出演陣が魅力的。でも話はクズだらけでつらかった」と書いている方も多数で、まあそりゃそうだよな〜と思いました。

誰もスポットを当てない日本社会の暗部をグサっと描き出す面影ラッキーホールの楽曲は、それでいてどこかカラッとしたところがあるのですが、その感じがうまく反映された舞台だと思います。同時に、キャスト&スタッフ陣の持てる力がそれをきちんと描いていると感じました。

 

帰宅後Web検索したら、実にうまい感想を書いている方を見つけたのでリンクを張ります。

http://d.hatena.ne.jp/lgmlgm/20150112/1421655070

 

僕が上記のような感想を抱いたのには、出演陣の歌が原曲の持ち味をかなりいいところまで引き出していたという点があると思います。面影ファンらしさあふれる古田新太の歌いっぷり。KYON2(中学のときに家にポスター張ってました)は、決して歌がうまい人ではないけどもとても魅力的な歌い方をする人だと僕は認識していますが、その通りの形で「好きな男の〜」や「今夜、巣鴨で」を歌われると参ってしまいます。面影ファンでもトラウマになると言われる「ゴムまり」を堂々と歌い上げる高田聖子。そして清純そうに見えるけれどビッチな女子高生という役回りの高畑充希が「愛のブラックホール」「あたしだけにかけて」を、かわいい顔して非常にうまく歌う(よく事務所がOKしたもんだ)。

上演時間3時間近くの長い舞台でしたが、全く飽きることなく見られました。ミュージカルってどちらかと言うと苦手なんですが、楽曲も大体知っているから楽しめたのかな……。逆に既存の楽曲を、若干の改変を含めつつも、よくあれだけ舞台にぶち込んだと思うと、感動すら覚えます。

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